フランスチーズ鑑評騎士の会とは?

Confrérie des Chevaliers du Taste-Fromage de France?

 

シュヴァリエ・デュ・タストフロマージュは、フランス伝統チーズを愛する人の証であり称号です。長年フランスチーズの普及啓蒙に貢献した人に与えられ、また称号を与えられた後も、フランスチーズの伝統とその素晴らしさを広く伝達する活動を行っていきます。

 

日本ではシュヴァリエ・デュ・タストフロマージュは、「フランスチーズ鑑評騎士」と呼ばれ、日本においてフランス伝統チーズの普及啓蒙活動を広く行うために「フランスチーズ鑑評騎士の会 日本支部」が設けられています。その本部はフランスのパリにあり、正式名称は Confrérie des Chevaliers du Taste-Fromage de France(コンフレリ・デ・シュヴァリエ・デュ・タストフロマージュ・ド・フランス) です。

 

コンフレリは「兄弟団」あるいは「同業組合」とも訳され、シュヴァリエは「中世の騎士」のことです。タスト・フロマージュのタストは「味わう、味わい分ける」の意味で、フロマージュは「チーズ」のこと。つまりワインの利き酒を意味する「タスト・ヴァンtaste-vin」にならって、「タスト・フロマージュtaste-fromage」という言葉が生まれました。

 

この日本語訳が「チーズの鑑定評価」であり、それを縮めて「チーズ鑑評」となりました。こうした、言葉と意味を含めて日本支部では「フランスチーズ鑑評騎士の会」と命名しています。


日本支部について


フランスチーズ鑑評騎士の会日本支部(略称:タストフロマージュ・ジャポン)の設立は1991年。2022年3月末現在、会員491名になりました。 

フランスチーズ鑑評の会日本支部は職業集団でも資格取得機関でもなく、フランスAOCチーズを愛する証しの騎士称号を持つ、選ばれた人たちの誇り高い集いです。本会では、以下のような活動目的を持ち広く活動を行っています。


活動目的


フランスには、Un village Un fromage(一村一チーズ)という言葉がある通り、数百種類ものチーズが存在します。さらにそのうち46種類ものチーズが、特に優れた酪農品としてフランス国が認可するAOCチーズに認定されています。豊かな自然と多様な風土から生み出された、個性豊かで味わい深いフランス伝統チーズ。フランスチーズ鑑評騎士の会日本支部は、種類の豊富さと豊かな風味において世界に例をみないフランスチーズの伝統と素晴らしさを、多くの人々に伝え、日本市場において広く啓発・普及することを目的に活動しています。


会員の資格


フランスチーズ鑑評騎士の会では次のような方を対象に会員に迎えています。

1. チーズ、ワイン、料理、その他食品、飲食に関する実務経験を10年以上積んでいる方。

2. ガストロノミー(美食)、食文化などに関する教養、技術を十分身につけている方。

会員となるためには、所定の入会願書に、1年以上在籍する2名の会員と1名の理事の推薦署名を付記して事務局に提出し、理事会の書類審査と協議による選考を経なければなりません。本会では毎年30名前後を会員として迎えています。



会費について


入会金:3万円  年会費:1万円

ただし滞納期間が支払期限から3ヶ月を越えた場合、その事由によっては処分の対象となる場合があります。


日本支部会則


こちらからダウンロードください



活動内容


本会は日本全国にわたり以下の活動を行っています。

● フランス伝統チーズの消費促進をはかるために、

セミナー、講演会、試食会などを開催し、幅広い普及活動を行う。

● チーズ産地の風土の特性から生まれる品質と歴史についての、教育活動を行うとともに、フランス各地のチーズ産地への研修旅行を企画実施する。

● 会員間の友誼および会員間のあらゆる情報交換のために便宜を図る。

● 理事会の開催

● 定時総会の開催(6月)

● 叙任式の開催(11月)

● 会員誌Taste Fromageの発行

● チーズセミナーの開催(不定期)

● 会員親睦のための賞味会の開催(秋頃)



メダル・称号


フランス鑑評騎士の会の記章となるメダルには、本会の志ともなる図案と銘句が描かれています。

まずメダルを見てください。その図案の道具立てはすべて騎士の武具に関連しています。中央には騎士の盾を置き、その上にチーズナイフとテスターを交差させて4個のチーズを配しています。そして左右からはチーズナイフが剣のように力強く突き出ています。 

さらに、メダルの周囲には次のようなフランス古語の銘句が刻まれています。

HONNI SOIT QUI SANS FROMAGE PRETEND A BONNE TABLE RENDRE HOMMAGE

「食卓にチーズを供せずして、美食を装うなかれ」

 

中世の騎士のごとく、フランスチーズの伝統を守り、それらを生み出し護り続けた人々の精神を引き継いでいくこと。さらに、チーズがあらゆる食卓に欠かせない最高の美食であり、多くの人々に幸せをもたらすことを信念に持ちながら、フランス伝統チーズの普及に努める誇り高い志をメダルは語っています。

 

フランスチーズ鑑評騎士の叙任された会員には、このメダルが与えられます。メダルは死去の場合も含め、いかなる場合も、称号同様他人に譲渡してはいけない規則になっています。

なお、メダルの色は会員の位階によって異なります。

位階とメダル、略綬については以下にご説明いたします。



フランス本部


フランスチーズ鑑評騎士の会は 1954年にフランスで設立されました。

現在 そのネットワークは、フランス国内はもとより、EU諸国、ロシア、アフリカ、カナダ、ブラジル、アジア、オーストラリアなどの世界29都市に広がり、2021年までに延べ870回以上の叙任式が行われ、1万5千人の会員を擁しています。

フランス本部会長(Le Grand Maitre)  Daniel LE COGUIC